時間軸で、取引日や決済日などを確認してみましょう。ここでは、権利落(けんりおち)、権利落日という概念を覚えてください。
【目次】
営業日という概念
有価証券の売買において、3日前とか、2日前とか、4営業日といったような表現がでてきます。この捉え方を確実に理解しておきましょう。
「○○の日から起算して4営業日目」という言い回しを理解してください。
4営業日目、と4日目(休業日除く)は、一緒です。大丈夫でしょうか。
休業日(営業日以外)ですから、土日と祝日が除かれるということになります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|
ここから数えて (起算して) |
2営業日目 | 3営業日目 | 4営業日目 | 5営業日目 |
この日から (○○の日から) |
1営業日目 | 2営業日目 | 3営業日目 | 4営業日目 |
4営業日前 | 3営業日前 | 2営業日前 | 1営業日前 | この日から |
あと一つ、ケーススタディです。
木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火(祝) | 水 | 木 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ここから数えて (起算して) |
2営業日目 | 3営業日目 | 4営業日目 | 5営業日目 | |||
この日から (○○の日から) |
1営業日目 | 2営業日目 | 3営業日目 | 4営業日目 | |||
4営業日前 | 3営業日前 | 2営業日前 | 1営業日前 | この日から |
売買と決済の流れ(タイムスケジュール)
権利落とは
権利落(けんりおち)の前に、権利確定日というのから確認しましょう。
3月末が決算の会社だと、3月31日の日に株主として登録されていれば、6月頃にある株主総会で承認された案に基づいて、配当が支払われます。権利があるわけですね。
この権利の確定日、たった1日だけでも株主であれば、配当がもらえます。
権利確定日の前日(株主でない) ⇒ 権利確定日(株主) ⇒ 権利確定日の翌日に売却(株主でない)というパターンでも権利確定日に株主ですから、配当の権利がある、ということです。
株主の権利としては、配当、株主優待、株主総会への出席、株式分割などがあります。
ある意味、銀行に1年間預けるよりも1日だけで配当がもらえるのであれば、ずっと効率のいい投資ですね。
では、買ってすぐに権利者として登録されるのか、というとタイムラグがあります。ここポイントですね。
(下の流れは土日・祝祭日関係のない平日営業日という前提での話です)
- 3月28日(3日前)・・・権利付きの最終日・・・この日までに買うと権利が発生します。
- 3月29日(2日前)・・・権利落(けんりおち)・権利落ち日・・この日に購入しても権利はない。逆に、この日に売っても権利はある、ということになります。
・・・※株券の普通取引は、権利確定期日の2日前(休業日を除く)の日から配当落又は権利落ちとして売買が開始される - 3月30日(1日前)
- 3月31日・・・権利確定日
イメージ的に日付の概念が頭に入りましたか? ぜひ覚えておいてください。次の取引という概念でも日付的な事柄が登場してきます。
取引の種類
当日決済取引 | 普通取引 | 発行日決済取引 |
---|---|---|
売買契約の当日に決済する | 売買契約締結の日から起算して、4日目(休業日除く)に決済する | 未発行の株券等を対象にした取引 |
※株券の普通取引は、権利確定期日の2日前(休業日を除く)の日から配当落又は権利落ちとして売買が開始される | ※権利落として定める期日から、新株券に係る新規記録日の3日前(休業日を除く)の日まで行われ、決済は新株券の新規登録記録日に一括して行われる |
何となくでも構いません。あとは、練習問題で慣れていきましょう。
売買の種類
売買には、立会市場における有価証券の売買と、立会市場以外の市場における有価証券の売買と2つあります。後者をToSTNeT市場といいます。これは、覚えておいてください。
ToSNeT市場は、Tokyo Stock Exchange Trading NeTwork System の略で、東京証券取引所の立会外取引です。
立会市場における有価証券の売買 | 立会市場以外の市場における有価証券の売買 |
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立会市場はさらに2つに分けられます 【売買立会】 当日決済取引 普通取引 発行日決済取引 |
・単一銘柄取引 ・バスケット取引 ・終値取引 ・自己株式立会外買付取引 |
【それ以外】 過誤訂正等のための売買 立会外分売 |
※立会外分売とは・・・顧客が大量の売付注文を委託した場合に、取引所が広く一般投資者の分売への参加を求めて、その大口注文の換金性を確保するもので、相場の激変を回避するための効果があります。
立会外分売の決済は、原則として、売買の成立日から起算して4日目(休業日除く)の日に、行われます。
清算・決済
銀行の振込における全銀システム・全銀ネット
銀行では毎日のようにたくさんの振込が行われていますが、それぞれ個別の銀行同士で資金のやり取り・決済をしていたら大変です。
それを、各銀行の間に清算機関を置いてスムーズにできるようにしたのが、全銀システム・全銀ネットです。
イメージできますね。これを金融商品の取引においても同じように・・・
日本証券クリアリング機構
それぞれ開設されている市場において行われた取引の清算を一元的に行うのが、日本証券クリアリング機構です。
東京証券取引所は、日本証券クリアリング機構を清算機関として指定しています。
清算機関の参加者は、清算機関との間で決済を行います。清算機関が介在するおかげで、DVP(Delivery Versus Payment)が実現できる形です。・・・DVPとは、資金と証券の同時又は同日中の引渡しを行う決済のことです。
※メリットとして、決済したのに相手の決済不履行から生じる元本リスク(資金・証券を交付したのに対価を受け取れないリスク)を排除することが可能
清算機関の清算資格を有する者を、清算参加者といいます。
一つだけ、有価証券等清算取次ぎ、というのを覚えておいてください。
他の者が行った取引を清算機関に取り次ぐ業務です。
有価証券等清算取次ぎというのは実質的には、委託者である非清算参加者の有価証券の売買であり、清算参加者に清算機関との間で清算を行わせるために、名義上、清算参加者の名で売買を成立させるための行為ということです。
もう1つ、区別しておいてください。
上記と区別して、金融商品債務引受業、というのを覚えておいてください。
金融商品債務引受業というのは、金融商品取引業者や登録金融機関などを相手方に、有価証券の売買等に基づく債務の引受を業として行うことです。
ついでにあと一つ・・・(聞き流すだけでいいと思います)
金融商品債務引受業の免許又は承認を受けて、金融商品債務引受業を行うものが、金融商品取引清算機関というものです。日本証券クリアリング機構が該当します。
ついでに、あと一つだけ。清算機関の清算資格を有する者を、清算参加者といいます。清算資格の分類です。
自社清算資格 | 有価証券等清算取次ぎを行うことができない清算資格 (自社に係る清算のみを行うことができる資格) |
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他社清算資格 | 有価証券等清算取次ぎを行うことができる清算資格 (自社以外に他社に係る清算の取次ぎができる資格) |
まとめ
練習問題の前に、追加の勉強をしておきたいと思います。呼値の値幅制限については、以前、学習しましたが、それの補足的なものです。
急激な価格変動を抑えるために、取引所は値幅制限をかけていました。1日の値幅を前日の終値から一定の範囲に制限するというものでした。2つだけ挙げたいと思います。
転換社債型新株予約権付社債券の呼値の値幅制限・・・行使対象上場株券の制限値幅に、一定の転換比率を乗じて算出された額
債券(新株予約権付社債券などを除く)の値幅制限・・・制限値幅は、1円
復習でした。
⇒ 練習問題