まずは、普通の銀行とお客さま(投資者)との関係をイメージしたものから用意しました。少しずつ投資信託の世界を説明した図で大まかに理解してみてください。
お客さまからお預かりした預金を(融資=貸出や、国債・為替・株式等への投資などで)運用して、お利息をお支払いしているのが銀行です。
投資信託には、2種類あります。契約型の投資信託と会社型の投資信託です。上の図が契約型投資信託、下の図が会社型投資信託です。
※会社型は、投資法人などに出資してそこから収益の分配金をもらう形です。不動産投資信託(REIT・リート)は、これに該当します。
【契約型(投資信託)】
何となくイメージできますか?
次が、会社型投資信託というやつです。
【会社型(投資信託)】
投資法人については、別ページにて練習問題にチャレンジします。
契約型投資信託は、さらに(投信法で)、委託者指図型投資信託と、委託者非指図型投資信託とに分類されます。
次は、登場人物が増えますのでご注意ください。
※日常的な世界でイメージしやすいように、A銀行、投資信託会社、信託銀行という具体的な金融機関を登場させました。
【委託者指図型】
1:1(1対1)と指図があることが特徴です。
あ、それと・・・ここに出てくる受益者は、複数のパターンがあります。本来は(最終的には)、お客さまのことですが・・・受益者=投資者(お客さま)
※委託者は、受託者に対しては、(最初の)受益者でもあります。その委託者(図では投資信託会社)とお客さまとの関係においては、今度はお客さまが受益者になります。間にA銀行が入っても同じ考え方です。
指図型投資信託の基本的な図、左から、投資者(お客さま=受益者)・・・投資信託委託会社(委託者・運用会社)・・・信託会社等(受託者)の図を、受験時に渡される計算用紙(白紙)に書けるように、合言葉で覚えておきましょう。
合言葉 投資・投資と信託・信託、痛みも運よ!
投資者 (お客さま) |
投資信託委託会社 (委託者・運用会社) |
信託会社等 (受託者) |
---|---|---|
投資 | 投資と信託 | 信託 |
痛みも≒委託 運よ!≒運用会社 |
投資者 (お客さま) |
販売会社 | 委託者 (投資信託委託会社・投信委託会社) |
受託者 (信託会社等) |
---|---|---|---|
A銀行・B証券会社 | ○○投資信託 | ○○信託銀行 | |
受益者 | 信託会社又は信託業務を営む認可金融機関 (信託会社等) |
||
いろんな仕事があります。 ・約款の届出、契約の締結、募集 運用指図、目論見書・運用報告書の作成・交付 分配金等の支払い 投資信託財産の計算 |
信託財産の管理・保管 運用指図に従った運用執行 分配金等の(委託者への)支払い |
次の、非指図型は・・・複数の委託者と1社の受託会社との関係になります。指図なしです。
委託者の指図に基づくことなく、主に特定資産に投資して運用します。
基本的なところはイメージ図にて説明いたしました。
あとは、練習問題をしながら理解して覚えてください。
受益証券の所有者が、受益者=委託者、です。
【委託者非指図型】
これから(練習問題で)勉強している箇所が、どこの部分の話か、すぐに上の図や表のどこのことか思い描けるようにしておきましょう。
【練習問題】
・委託者指図型投資信託の委託者は、投資運用業を行う金融商品取引業者に限られている。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投信法においては、投資信託を、委託者指図型投資信託と、委託者非指図型投資信託とに分類している。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の信託財産は、すべて投資信託委託会社の名義となる。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・受託会社(信託会社等)の名義となる
・投資信託委託会社は、運用指図を行う全ての投資信託財産について、その運用指図の権限の全部を(全てを)、他の投資運用業を行う金融商品取引業者、信託会社等に委託することができる。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・できない。全てではない。
全ての、全て、ではない。特定の、全て又は一部。
・投資信託委託会社は、運用指図を行う特定の投資信託財産ついて、その運用指図の権限の全部又は一部を、他の投資運用業を行う金融商品取引業者、信託会社等に委託することができる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投資信託委託会社は、運用指図を行う特定の投資信託財産について、その運用指図の権限を、他の投資運用業を行う金融商品取引業者などに委託することは、一切、禁止されている。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・特定の全部、又は一部を委託することは可
・受託者(信託会社等)は、投資信託委託会社の指図に従って、投資信託財産の管理・保管を行う者で、複数の信託会社である。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・複数ではない。単数
・委託者指図型投資信託における、投資信託財産の管理・保管は、受託者(信託会社等)が、投資信託財産の名義人となって、自己の名で管理する。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の受託者は、一つの投資信託契約について、1つの信託会社又は投資助言・代理業を行う金融商品取引業者でなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・受託者は信託会社等
・委託者指図型投資信託の受託者は、一つの投資信託契約について、信託会社等(信託会社又は信託業務を営む認可金融機関)でなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託は、単数の投資信託委託会社を委託者として、単数の信託会社又は信託業務を営む認可金融機関(信託会社等)を受託者として、投資信託契約が締結されるものである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・金融商品取引業者が、委託者指図型投資信託の募集・販売を行うに当たっては、当該委託者指図型投資信託について、投資信託委託会社との間で、投資信託契約を締結しなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・(上の図で)投資信託契約は、募集・販売の取り扱いの際の契約ではない
・委託者である(複数でない・単数の)投資運用業を行う金融商品取引業者(投資信託委託会社)と、受託者である(複数でない・単数の)信託業務を営む認可金融機関との間で、締結されるのが投資信託契約、である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託指図型投資信託の募集をするには、あらかじめ投資信託委託会社、受託者、及び受益者の3者間で投資信託約款に基づく投資信託契約が締結されていなければならない。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・受益者(お客さま・投資者)は関係ない。3者ではない、2者間の契約
・投資信託契約は、委託者である(複数でない・単数の)投資運用業を行う金融商品取引業者(投資信託委託会社)と、受託者である(複数でない・単数の)信託会社又は信託業務を営む認可金融機関との間で締結されるものである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投資信託委託会社は、委託者指図型投資信託契約を締結しようとする時は、あらかじめ内閣総理大臣の認可を受けた投資信託約款によらなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・内閣総理大臣へ届け出た投資信託約款(届出制)による
・投資信託委託会社は、委託者指図型投資信託契約を締結しようとする時は、あらかじめ内閣総理大臣へ届け出た投資信託約款によらなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の投資信託約款に記載すべき事項に、委託者における公告の方法が含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投資信託委託会社は、投資信託の受益証券の取得の申込みの勧誘が、適格機関投資家の私募により行われた時は、投資信託約款で運用報告書を交付しない旨を定めることができる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の委託者の業務には、解約金の受益者への支払いが含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託における投資信託委託会社の主な業務の1つとして、目論見書の作成及び運用報告書の作成がある。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託における投資信託会社の業務に、投資信託財産の管理と保管がある。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・投資信託財産の管理と保管は、受託者の業務
・委託者指図型投資信託の投資信託財産の運用は、投資信託委託会社が行う。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・運用は、投資信託委託会社の指図で、受託者(信託会社等)が行う
・受益者は、信託元本の償還及び収益の分配に関して、受益権の口数に応じて、均等の権利を有している。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・受益権を他人に譲渡する時は、いかなる場合も受益証券の交付をもって行わなければならない。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・記名式は除く(現在では受益証券は発行されない。口座振替で譲渡される・投資信託振替制度)
・委託者指図型投資信託の投資信託財産に組み入れた有価証券に係る議決権を行使するのは、受託会社であり、受託会社に対してその権利行使の内容を指図するのは、受益者である。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・投資信託財産に関する権利行使は、投資信託委託会社が(受益者に代わって)指図する(受託会社に対して)
・委託者指図型投資信託の投資信託財産に組み入れている有価証券に係る議決権の行使については、受益者が、投資信託委託会社に代わって、受託会社に対してその権利行使の内容を指図する。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・投資信託財産に関する権利行使は、投資信託委託会社が指図する(受託会社に対して)
・投資信託委託会社は、投資信託契約を解約する場合は、特別多数による書面決議及び反対受益者の受益権買取請求権行使への対応が必要である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託において、投資信託財産による株式の取得の指図に、一定の制限が設けられているのは、投資信託委託会社が投資信託を利用して、他の法人を支配することを防ぐためである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投資信託委託会社が、投資信託委託業務を廃止した時は、当該投資信託委託業者の投資信託契約は、例外なく、強制的に、解約される。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・業務の引継ぎ、合併で相手が金融商品取引業者であったりした場合は解約の必要は、ない
・投資信託委託会社が、投資信託委託業務を廃止した時でも、当該投資信託契約の引継ぎがあった場合や、合併により存続した会社が投資運用業を行う金融商品取引業者であった場合などは、解約の必要はない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
一番最初のイメージ図を思い描けるようにしてください。
【委託者非指図型投資信託】
・委託者非指図型投資信託は、委託者が単数の信託会社又は信託業務を営む金融機関(信託会社等)を受託者として、非指図型投資信託を締結するものである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託の受託者は、信託会社又は信託業務を営む認可金融機関をいう。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託の受益証券は、受託者(信託会社等)が発行する。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託を設定する場合は、原則として、証券投資信託としなければならない。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・投資対象は、有価証券を除く特定資産
・委託者非指図型投資信託を設定する場合の投資対象は、有価証券を除く特定資産であり、証券投資信託を設定することはできない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託は、信託財産を主として有価証券に投資して運用することを目的とする投資信託契約を締結することができる。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・できない
・委託者非指図型投資信託は、信託財産を主として有価証券に投資して運用することを目的とする投資信託契約を締結することはできない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託とは、一個の信託約款に基づいて、受託者が複数の委託者との間で締結する信託契約により、受け入れた金銭を、合同して、委託者の指図に基づかないで、主として特定資産に対する投資として運用することを目的とする信託のことである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・受益者が、委託者として受益証券に係る権利義務を取得する。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託において、信託財産の管理・運用など、中心的な役割を担っているのは受託者である信託会社等である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者非指図型投資信託の受託者(信託会社等)は、運用する特定の信託財産について、運用の権限を、投資運用業を行う金融商品取引業者や信託会社等に委託することは、できない。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・運用の権限を委託できる
・委託者非指図型投資信託の受託者(信託会社等)は、運用する特定の信託財産について、運用の権限を、投資運用業を行う金融商品取引業者や信託会社等に委託することができる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・受託者である信託会社等は、委託者に対して、元本に損失を生じた場合に、これを補てんしたり、あらかじめ一定額の利益が得られなかった場合に、これを補てんする契約を締結してはならない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
※注意点・・・指図型と非指図型での「権限移譲」についての出題時の違いについて、です。
委託者指図型投資信託は、委託者(投資信託委託会社)が、委託する側が、権限移譲をする話です。
一方、委託者非指図型投資信託での、権限移譲についての問題は、受託者が他に権限移譲する時の話です。
違いをきっちりと整理しておいてください。
委託者(投資信託委託会社) | 受託者 | |
---|---|---|
指図型 | 指図する側が・・・ 不得意な範囲だったら ・特定の投資信託財産について ・運用指図の権限の全部又は一部を 他に委託できる。 ※OKは特定のみです。 |
|
非指図型 | 特定の信託財産についてのみ、OK ただし、権限のすべてを委託することは不可・ダメ ※すべて、はダメ。すべて・すべての組み合わせでは、ない |
【外国投資信託】
・外国投資信託とは、外国において、外国の法令に基づいて設定された信託で、投資信託に関するものである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
合言葉 外灯(外国投資)は、外、外、外の外3つ
・外国投資信託とは、外国の法令に基づいて、日本で設定された信託で、投資信託に関するものである。・・・○か×か?・・・×・・・正解
スキマ時間に練習問題にチャレンジしながら学習できる、○×クイズ形式のスタイルも用意しました。
10問単位です。自分なりに合格点をとれた、と自覚できたら次の10問に進んでください。
ぜひ、無声音で(頭の中だけで声を出して・しかも早口で)読んでみてください。スマホなどのボイスメモやICレコーダーなどに録音して聞き流すことで記憶に定着させる、ということもできます。どうぞ工夫してみられることをお薦めいたします。
録音する場合には
・早口で録音すると聴き返す時の集中力がアップします。
・「○○~とされている。○(マル)とか×(バツ)」という具合に解答まで録音する。
・また、×(バツ)の時は、間違った点や正解まで録音しておくとベターです。