金融商品取引業、金融商品取引業者についての分類です。大きく4つに分類されます。
第一種金融商品取引業(者) ・・・いわゆる証券会社などが該当 |
第二種金融商品取引業(者) ・・・従来の投資販売業、信託受益権販売業 (投資ファンドをつくる時にはこの資格が必要です) |
投資助言・代理業(者) ・・・投資顧問会社など |
投資運用業(者) 投資信託委託会社など |
まずは、金融商品取引業は、登録制だということを覚えておいてください。登録する相手は、内閣総理大臣です。
(金融商品取引法の所管大臣は、内閣総理大臣。ただ権限が金融庁長官に委譲されていることから金融庁長官と表示されることもあり得ます)
・第一種金融商品取引業者とは、内閣総理大臣の登録を受け金融商品取引業を業とする株式会社である。○か×か?・・・○・・・正解
仕事として証券外務員の資格が必要となるのは、当然(投資者保護の観点からも)第一種金融商品取引業者(いわゆる従来の証券業・証券会社、金融先物取引業)がメインですから、ここでは第一種金融商品取引業者について説明したいと思います。
第一種金融商品取引業者について
繰り返しますね。第一種金融商品取引業者は、「内閣総理大臣の登録を受け金融商品取引業を業とする株式会社(取締役会及び監査役又は委員会を置くものに限る)でなければ、営んではならない」
求められる役割が重大ということですね。
金融商品取引業は、登録制です。登録です。
例外・・・「私設取引システム(PTS)運営業務」は、内閣総理大臣(金融庁長官)の認可を受けなければならない。
※登録・認可等の違いについては「まとめ」にて。
合言葉は、PTA? PTS?は、ニンニン(認人)
この合言葉がどんな試験問題を連想するのに使えるか?です。
実際の試験問題のパターンをみてください。
では、私設取引システム(PTS)運営業務とは?・・・割愛します。合格してから勉強しましょう。
業務内容は?(重要語句の理解)
まずは語句・単語の違いから確認です。売買などの対象となるモノ(商品)については、ここでは「有価証券」ととらえておいてください。スタートから混乱するといけませんから。
有価証券を売買する、有価証券を媒介する、有価証券を取次ぎする・・・という感じです。単純に、有価証券と考えておいてください。
売買 | 売ったり買ったりの当事者となること |
媒介 | 他人同士の契約の成立に尽力する行為。当事者でなくて第三者の行為。結果責任はない。 蚊が○○熱のウイルスを媒介する、というのと一緒ですね。 |
取次ぎ | 自己の名をもって委託者の計算で、有価証券を買入れ又は売却すること等を引き受けること。 ※委託者とは=投資家のことです。 |
代理 | 委託者の計算で、委託者の名で、有価証券の売買等を行うことを引き受けること。 銀行で課長代理とありますが、課長の計算で、課長の名前(肩書)で、仕事を引き受けること、と同じか? (課長が休暇の時などに)ピンときませんね。下の説明をどうぞ。 |
要は、財布=お金の出どころがどこで、名前=対象となる人物が誰か、ということです。
売買・・・自分の計算で(自分の財布から)、自分の名前を出して相手と取引する。
媒介・・・自分は関係なし。相手同士(双方)それぞれの財布と名前で取引する。(自分の名前は出てこない)
取次ぎ・・・委託者(投資家)の財布で、自分の名前で取引を引き受ける。
代理・・・委託者(投資家)の名前と財布(お金)を使っての取引を引き受けることです。
※もちろん、この場合の自分は・・・金融商品取引業者のことです。金融機関にお勤めの方なら、○○銀行とか○○証券会社といった金融機関のことです。お勤めの方は、そこの職員・外務員ということになりますね。
もう一つ、理解しておいていただきたい概念があります。「引受け」と「売出し」です。
あっ、もちろんこういった単語にかかわる業務が、第一種金融商品取引業者の主な業務だと、いうことですからね。
(そこだけは忘れないようにしてください)
試験に合格したら、そういった仕事を(職員・外務員として)お客さま(投資家・投資者)相手に行う、ということです。お忘れなく。
(ついでに「募集」と「私募」も挙げてみました)
引受け | 有価証券の募集・私募又は売出しに際し、発行体・売出人のためにその販売を引き受けること。 |
売出し | 既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込みの勧誘のうち、 ・第一項有価証券(有価証券・有価証券表示権利など)については、多数の者(50名以上)を相手方として行う場合 ・第二項有価証券(みなし有価証券)については、売出しに係る有価証券を相当多数の者(500名以上)が所有することになる場合、をいう。 |
募集 | 新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘で ・第一項有価証券については、多数の者(50名以上)を相手方として行う場合 ・第二項有価証券については、募集に係る有価証券を相当多数の者(500名以上)が所有することになる場合をいう。 |
私募 | 新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘で ・適格機関投資家 ・少人数(50名未満)の投資家を対象とするもので、有価証券の募集に該当しないもの。 |
※有価証券表示権利は、証券外務員試験合格の第一歩・その2で説明した「有価証券が発行されていなくてもその権利を有価証券とみなす」というあれのことです。
※50名、500名という数字での区別、50名未満は少人数という考え方、について理解しておいてください。
あと少しだけ補足したいと思います。
【引受けについて・・・あと一つ、元引受けというのを覚えておいてください】
発行体・売出人のために、販売を引き受けることでしたね。
発行者・売出人 ⇒ 直接、引き受ける・・・「元引受け」になります。
※覚えなくてもいいですが、建設・建築の世界で、元請け、下請け、というのがあります。
同じように、「元引受け」に対して「下引受け」というのもあります。
※売り出した時に、取得目的で全部・一部を引き受けることと、他の者に販売した時に売れ残った分を全部引き受ける、という契約が元引受けです。
全部、面倒みますよ、ということですね。
それでは、お待たせしました。練習問題をやってみましょう。チャレンジしてみてください。
証券外務員試験の金融商品取引業者の業務内容については、こんなパターンで出題されるのか、と確認してください。
まとめ
登録、届出、承認など行政特有の紛らわしい単語があります。簡単に説明してみます。
よく行政の用語で許認可というのがあります。一緒に雑学として理解しておいてはいかがでしょうか。
登録 | 届出・申請して(書類を提出して)、帳簿(紙媒体や磁気ディスク)に記録してもらう。 行政の判断は入らない。(届出に近いイメージ) |
届出 | 届け出る、通知する、だけ。書類の提出だけで一方通行。 |
承認 | 当事者同士で認め合うこと。 |
認可 | 書類を提出。要件を満たしていたら認可しなければならない。 |
許可 | ついでに許可とは、OKかどうかの裁量権があるもの。書類を提出して要件を満たしていても、認可するかどうか、別問題というもの。行政側は許可しなくてもいい。 |