ここでは、金融商品取引業者のその他の業務、それと登録・認可についてまとめてみました。
売買、売買の媒介、取次ぎ、代理、引受け、売出し、募集、といった単語・言葉の違いは十分に把握できましたね。
前回学んだ業務についての追加の業務になります。ここまでで一応、金融商品取引業者の業務については終わりになります。
※証券外務員一種試験の範囲に入る概念も登場します。(へーっ、そんな単語があるんだ、というレベルでも構いません)
【目次】
デリバティブ関連の概念
デリバティブという概念は、一種試験で出てきます。それまでは無視しても構いません。二種に合格してから勉強しましょう。
それでも勉強したい、という人のために・・・デリバティブとは?
元々の金融商品から派生した商品・金融取引のことをデリバティブといいます。(ここでは、これで十分です)
金融商品取引業者の業務内容にプラスしておきます。
ここまでは、単純に「有価証券の売買」と表示してありましたが、本当は、という世界です。第一種金融商品取引業の業務内容です。
左側がこれまで業務として説明していたものです。本当は、右側のデリバティブなども含めての業務が正しいということです。
これまでの(当サイトでの)表記 | (法律上の)本当の定義 |
---|---|
有価証券の売買 | 有価証券の売買、市場デリバティブ取引又は外国市場デリバティブ取引 |
有価証券の売買取引の仲介、取次ぎ又は代理 | 有価証券の売買、市場デリバティブ取引又は外国市場デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理 |
- | 取引所金融商品市場における売買又は市場デリバティブ取引の委託の媒介、取次ぎ又は代理 |
- | 店頭デリバティブ取引又はこれらの取引の媒介、取次ぎもしくは代理 |
少しだけ説明します。
3番目の「委託の媒介・取次ぎ・代理」とは、取引所金融商品市場(東京証券取引所など)における売買等を行う資格を持たない金融商品取引業者が、(東京証券取引所などでの売買の)資格を持つ金融商品取引業者に(自分のところの)顧客から受けた注文を委託すること、です。
何となくイメージーできますか?
※取引所金融商品市場・・・いわゆる東京証券取引所とか東京金融取引所(旧・東京金融先物取引所)などのことです。
・金融商品取引業者が、店頭デリバティブ取引に係る業務を行う場合は、内閣総理大臣の登録が必要である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
私設取引システム(PTS)運営業務
合言葉だけ思い出してください。
PTA? PTS?は、ニンニン(認人)でしたね。
はい、問題です。⇒ 練習問題
有価証券等管理業務
有価証券等管理業務とは、有価証券の売買等に関して顧客から金銭又は証券もしくは証書の預託を受けること・・・
有価証券の保護預かり、社債等の振替を行うことをいいます。
金融商品取引業以外の業務
金融商品取引業に付随する業務のことです。ここでは、付随業務という単語と、付随業務には特段の届出や承認が要らない、ということを覚えておいてください。
⇒ 練習問題をお薦めします
登録と認可のポイント
・金融商品取引業者とは、内閣総理大臣の登録を受けて金融商品取引業を営む者のことである。・・・○か×か?・・・○・・・正解
登録の申請書等の変更
登録している登録申請書または添付書類に変更が発生した場合には
登録申請書 | 変更があった日から2週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出る。 |
添付書類 | 遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出る。 |
自己資本規制比率
金融商品取引業者は、当然、顧客(投資家・取引先)を抱えていますから、安全性を求められます。
外務員試験一種試験の範囲ですが、自己資本規制比率が120%を下回らないようにしなければならない。
140%を下回ったら・・・金融庁に届出
120%を下回ったら・・・金融庁は業務方法の変更を命じることができる。その他、必要な事項を命ずることができる。
100%を下回ったら・・・金融庁は業務の全部・または一部の停止命令を出せる(3ヶ月の期間内で)
まとめ
最後に、練習問題を。
金融商品取引業の分類です。3つと4つのどちらが正解でしょうか。
⇒ 練習問題にてお確かめください。
繰り返しますが・・・第二種金融商品取引業は個人の場合が試験に出ることがある、ということだけは頭に入れておいてください。
・第一種金融商品取引業を行う者は法人でなければならないが、第二種金融商品取引業は個人でも行うことができる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
覚えていますか?
・取次ぎは、自己の名をもって、委託者の計算で有価証券を売買・引受けること、でした。
(媒介は、他人間)
(代理は、委託者の名で、委託者の計算・・・)
※取次ぎだけが、自己と委託者の違う概念の組み合わせです。これだけ合言葉で覚えておきましょう。
合言葉は、取次ぎ(鶏・とり)、自己(爺さん)、委託者・計算(板・Kの文字)の3つの言葉からの組み合わせです。
爺さんが、(カマボコ)板にKで鶏
⇒ 爺・自(じ)己の名が、板(いた・委託)に、K(ケイ・計算)で鶏(取・取次ぎ)
自分の名を書いたカマボコ板にKの文字、(板を)鶏(とり)がくわえてバトン替わりに(引き継いで)持っていった、とイメージしておいてください。
苦しかったら、どうぞ自分流でのイメージをお薦めします。