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二律背反という言葉・単語があります。自分が知る限りいちばん顕著な事例としては、本を閉じながら開けなさい!なんていうようなものです。

時間外(時間外労働賃金)を(あまり)つけるな!、時間中の密度を上げて早帰りを推進しなさい!、単品セールスじゃなくてクロスセルをしなさい!・・・といった心構え的な指示・示達事項に加えて、目標という名の成績表のもとになる数値があります。

最近では、(期初に)自己申告という形で自分なりの目標値を設定して、それに対して(半年間の努力の結果)クリアした、できなかった・・・ということでの実績評価・考課が付けられるというのが主流になってきているかも知れません。

Aという商品を半年間で〇〇獲得する、Bという商品を半年間で○△獲得する・・・自己啓発で○○上級と○△3級に合格する・・・といったようなことを自主的に申告して(自分なりの目標と設定して)、仕事に取り組む・チャレンジする、という世界です。

ノルマではありませんね。あくまでも(建前上は)目標値、です。でも、クリアできないと・・・自分の実績、評価、人事考課につながっていくことは間違いありません。まあ、昔の年功序列的な世界から、だんだんと実力主義、実績主義、能力主義という世界になってきているわけです。欧米型のスタイルです。まあ、当たり前といえば当たり前の流れですけど。

冷静に考えると、やることが多い!ですね。

やることの多い? 多すぎる銀行員?

昔の話で恐縮です。昔は、公務員や民間企業の給与や賞与(ボーナス)などは、現金支給でした。ですから、会社側(支給する側)も、前日などに、事前に1円単位まで給料袋に入れて用意をする、銀行員はそのための資金を用意する、というようなことが当たり前の風景でした。

ですから、そのお金=現金を、集めるのが最大の仕事でした。(普通の銀行員の場合です)
特に、ボーナスの時期は、1人当たりの目標が数千万円~5千万円、人によっては(窓口係なども含めて)1億円なんて金額が、目標として課されていました。

ところが、3億円事件など物騒な事件があったりもして、給与や賞与など、だんだんと銀行振込が当たり前の時代になっていきます。
さらに、給与振込・賞与以外にも、年金なども自分の銀行の口座への入金をお願いしたり、その口数を獲得することが目標になるようにもなりました。

すると・・・口座に入ってきた給与を1円単位まで引き出す人は、いませんから・・・。銀行にとっては、ありがたいことに、どんどんと資金が≒預金が、積み上がっていくのです。(これは地方銀行の例です。都市銀行=今のメガバンクは、世界規模で商売=運用をしていますから違うと思いますが)

銀行員の仕事は、集めること(調達)から、運用へと舵をきることになったのです。

運用も、個人ローン(車購入・教育資金・家電製品などの耐久消費財の購入など)や、カードローン、法人のローン・・・(法人のローンは、法人営業が担当するというのがメインの業務だと思いますが)

さらには、国債等、投資信託、生命保険・・・
関連会社などのグループ全体での売上貢献のためのリース物件の紹介など・・・
ビジネスマッチングでのフィービジネスの拡大、「仕組みモノ」の売込みなど・・・やるべきことが、どんどん増えてきているのが最近の実情だと思われます。

しかも、金融商品は、ただでさえ(仕組みや商品内容が)複雑な上に、次から次へと新商品がメニューに入って来たりもします。
頭に入れ続けないといけないのです。ほんと、大変です。

先輩だと、後輩の指導・育成も仕事に入ってきます。相談相手にもならないといけません。
地域での行事やお付き合いなどもあります。

若い時は、遊びも(それなりに)したいですし、気の合った仲間や友だちとの時間も共有したいですし・・・
ちゃんと恋もしたいですよね。

平日の勤務終了後だと、あんまり時間はありません。土日という貴重な時間を費やしてのプライベートの充実、です。
一度きりの人生ですから・・・(とりわけ)若いうちは、大事にしたいですよね。

そんな毎日において、時間を見つけて自己啓発にいそしむことも求められます。

資格・検定という名の自己啓発

金融機関の場合だと、今は、入行・入社前に、外務員試験に合格しなければならないみたいですね。昔は、せいぜいソロバンの練習と札勘(さつかん=お金を数えること・・・例の扇形に開いたりするヤツです)の練習くらいのものでした。

資格を取得する、というのは入ってからの話でした。
それが、今では社会人になる前に、「土俵に上がるために資格取得をして来てね」という時代になったのですね。

ということは、新人の時代からあれこれと取得して欲しい資格や検定がたくさんある、ということになります。実際、管理職になるまで、いや管理職になってからも自己啓発はずっとついてくるものです。割り切らないとダメですね。

すべてにおいて、前倒し、という発想・思考がお薦めです。俗な言い方ですが・・・どうせ、しなければならないという世界です。
若いうちにチャレンジしておける分には、チャレンジした方がいいかと思います。
だんだん、気力・体力が年齢とともに落ちていくのも事実ですからね。

でも、遊びたいですよね。気分転換や趣味の世界に浸ることも、放棄したくはないですよね。

じゃあ、いつ遊びましょうか?

いつ遊ぶの? 今・・・?

私は、(手前味噌ながら、母校の高校で一年生を対象に)仕事や職業についての先輩として、高校生を相手に20~30分程度の講演をする機会に恵まれています。毎年、させていただいております。

その時に、青春時代に(一生懸命に)勉強をする、という人生も貴重な人生です、というような話をします。
青春時代に、暴走族のような感じで夜な夜な暴走行為を繰り返す、それも貴重な人生でしょうから、本人が選択したのであればそれでも(長い人生においては)構わないのかも知れません。

それと同じように、人が遊んでいる時に、将来を夢みて勉強する、というのも本当に貴重な青春です、という話です。
自分をほめてください、素晴らしい人間としての自分をほめてください、という話をします。

平日、仕事で疲れてヘロヘロになった週末。本当に貴重な週末、です。
その貴重な時間を、どう使うか?

正解はありません。間違いもありません。選択するのは、あなた自身です。

まとめ

銀行員になる・金融機関に勤める、のであれば、ノルマとまではいかくなくても、目標がずっと付いて回ります。どこの支店に異動しても一緒です。
割り切りましょう、というのは簡単ですが、(腰掛的に数年間の勤務を前提にという話なら別ですが)実際はなかなか大変です。

老婆心ながら、仕事を通して知り合い人は、まさに人材⇒人財である可能性があります。ご縁で、人生が変わることもあります。
打算的にそんな期待を持って、人と、お客さまと接するというのは論外ですが、その人の素晴らしいところ、勉強になるところ、参考になるところ、気づいた点などに意識を向けること、そんな出会いが貴重でありがたいこと、を意識しての毎日・仕事をしてみては、出会いを楽しんでみては、いかがでしょうか。

きっと、将来への種子蒔きになると思います。

人の縁ほど不思議なものはありません。必ず、不思議な出会いなり、ご縁なりを感じる・気づく瞬間があると思います。

損得勘定だけで動くのが、人ではありません。仕事≒目標度外視で、人と出会ってみる、のもいいかも知れません。