銀行などを訪問した時に、ロビーにその銀行の紹介案内・会社概要の冊子が置いてあります。IR(インベスター・リレーションズ)というものです。
その中の組織図というのを見ると、必ず、株主総会が一番上位にきているはずです。それから、取締役会とか監査役(監査役会)などがあって、その下に各部署(本部・営業店)がくる、という形だと思います。(機会がありましたらぜひ見てください)
つまり、最高の意思決定機関は、株主総会、ということなのです。
株主総会
1.株主総会・・・定時総会(毎決算期ごと)、臨時総会(必要に応じて)
2.開催日時、場所、議題を取締役会で決めて、2週間前までに招集通知を、代表取締役が株主に出す。
3.もし、会社側が招集しない時は・・・(とんでもないですね。普通はあり得ませんが
⇒ 少数株主(引き続き6か月以上、議決権総数の3%以上を持つ株主)が、
※少数株主というと、ほんと少数派のようなイメージですが、そうではありませんね。それなりの権限を持っている株主ということです。
この微妙な違い、理解しておいてください。1%の以上と3%以上、議題の提案(追加)と株主総会の招集です。
また、次の議決権の割合も整理しておいてください。
総会の招集 【少数株主】 | 議決権総数の3%以上 | 6か月以上 |
---|---|---|
議題の提案 (議題の追加) |
議決権総数の1%以上又は300個以上の議決権 | 6か月以上 |
普通決議・特別決議と議決権
まずは、議決権についてです。・・・単元株という概念を勉強しました。議決権=1株=1議決権、です。
それと、代理人が出席して、議決権を行使することができます。
あと、自己株式と会社間での持ち合いでの株式についての制限事項です。
自己株式(会社が自ら取得した株式)は、議決権はありません。
A社とB社の2社の間の話です。A社・・・B社の議決権総数の4分の1以上を所有・・・大株主ですね。この場合・・・
B社が逆にA社の株を所有しても議決権なし、です。
普通決議と特別決議
特別決議とは、重要な決議だと捉えてください。・・・監査役の解任、定款変更、事業譲渡、新株予約券の発行、株式併合、資本金の減少、組織変更、合併、株式交換、株式移転、解散
普通決議 | (議決権の)過半数の出席 | 過半数の賛成で成立 |
---|---|---|
特別決議 | (議決権の)過半数の出席 | 2/3以上の賛成が必要 |
合言葉 特別は交換・併合、分割ダメダメ じと~っと汗ばむ定款変更
株式交換、株式併合 株式分割 事業譲渡 定款変更
※強引な覚え方ですいません。(もちろん、特別決議事項の一部についての覚え方ですから、他の項目も覚える時には、自分なりに工夫してみてください)
この総会の特別決議ではない、株式の分割ですが・・・
これは、後ほど学習する、取締役会の決議事項になります。関連付けて頭に入れておきましょう。
あと株主総会の議事録は保存年限が決められています。株主と会社債権者の閲覧に供されるためです。
本店 | 支店 |
---|---|
10年 | 5年 |
この会社債権者に見せる、というのは覚えておいてください。
取締役会
公開会社(覚えていますか?)は、取締役会をおく必要があります。会社の執行機関です。そして、重要な業務執行は、必ず取締役会で決議しなければなりません。
【取締役会の決議事項(重要な業務執行)】
・代表取締役の選定・解職
・募集株式の発行と社債の発行
・株式の分割・・・上で学習した、株主総会の特別決議事項ではなかったヤツです。
(株式・社債の)発行と(株式の)分割は、取締役会の決議事項だと覚えておいてください。
合言葉的には、発奮(発行と分割)です。
取締役
基本的には | 取締役会を置く会社 |
---|---|
1名以上 | 3名以上 |
任期・・・原則2年以内。
(任期中でも)株主総会の普通決議で解任可能です。
取締役の報酬は定款又は株主総会での決議にて決められる。当然、任務を怠って会社に損害を与えた場合は、賠償責任があります。
代表取締役
取締役会の中での互選です。取締役の中から、1名以上必要です。代表権を持っているのが、代表取締役です。
万が一の時を考えると、代表権を持っている代表取締役が2名、3名存在する会社も珍しくありません。
代表取締役会長、代表取締役社長、代表取締役専務、など。
監査役(監査役会)
株式会社には、監査役が1名以上必要です。(任期4年、選任・解任は株主総会の決議)
次これが、公開会社である大会社になると・・・監査役会の設置が必要となります。(監査役3名以上+半数以上が社外監査役)
※(注意点)社外監査役の数・・・半数以上です。過半数以上ではありません。4名の場合、2名でOKです。もちろん3名の場合も2名です。
会計監査人
大会社に必要となります。1名以上の会計監査人が必要となります。
※注意・・・会計監査人=公認会計士か監査法人、限定です
※任期1年更新で、定時総会で不信任の決議がされない限りは、自動更新。
ここまでのまとめ的なものを表にしてみました。
普通の会社 | 大会社
資本金5億円以上又は負債総額200億円以上 |
公開会社
全部・一部の株式の譲渡について会社の承認を必要とするという定めを定款で決めていない会社 |
|
---|---|---|---|
取締役 | 1名以上・1名でも可 | ||
取締役会を置く会社 | 3名以上 | 必ず取締役会を置く | |
監査役 | 1名以上 | ||
監査役会 | ①監査役会を置く・3名以上で半数以上が社外監査役 又は、②委員会及び執行役を置く |
||
会計監査人 | 必ず会計監査人を置く・1名以上 | ||
その他 | 株式会社は、必ず 株主総会と取締役を置く |
議決権制限株式の発行は、発行済み株式総数の2分の1以下 |
※公開会社は、発行している株式のうち、一部でも譲渡制限株式でなければ(たとえ、それが実際に発行されていなくても)、公開会社である。
他にも細かい差異や概念がありますが、あまり深入りするのも・・・大変ですし、時間もありません。
70点を目指しましょう。
あとは、繰り返し・繰り返しで練習問題から慣れてください。記憶に定着化させてください。
まとめ
繰り返し・繰り返しの練習問題です。
⇒ 練習問題
もし、余力があれば別問題にもチャレンジしてみてください。
⇒ 練習問題