ここでは、MMF・MRFといった商品(追加型公社債投資信託)についての理解を深めてください。
もともとは、銀行と証券会社との間には、「垣根(かきね)」がありました。規制緩和の流れで、だんだんとその「垣根」が低くなってきたのです。
銀行が投資信託などの金融商品を扱えるようになりました。逆に、証券会社も、MRF(1口単位=1円単位)という(限りなく銀行の普通預金に近い性格の)商品や、MMF(同じく1口1円)という銀行の定期預金に近いイメージの商品なども品揃えできるようになってきたのです。
中期国債ファンド、MMF、MRF、さらにETF・外国投資信託について整理しておいてください。
【練習問題】
まずは、単位型の投資信託と追加型の投資信託について整理しておきましょう。
追加型には、株式と公社債の2つがあります。公社債がよく試験にでます。(2番目の図にて)
・単位型投資信託は、ある一定の期間に投資家から資金を募って集まった資金で、ファンドを設立するが、ファンドを設立した後は、追加の資金は受け付けない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・単位型投資信託において、募集(販売手数料)は、原則として、販売会社が定める。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・単位型投資信託においての募集(販売手数料)は、同じファンドであっても、販売会社が異なれば、募集(販売手数料)が異なる場合もある。・・・○か×か?・・・○・・・正解
追加型の公社債投資信託は、長期公社債投資信託(毎月1つずつ計12本のファンドを設定して、その後、毎月毎月追加で募集を行っているもの(1961年にスタートしています)。・・・年1回、決算。
そして、これは換金の時、1万口について100円の手数料が引かれます。※ただし、引き下げられている例もあります。詳細はそれぞれ目論見書で確認することになります。
毎日毎日、決算をするタイプの3つの商品(特に、MMFとMRF)については、理解を深めておいてください。
ポイントの1つが、分配金は、月末に再投資、ということです。
それと、別の商品であるETFもチェックしておきましょう。
※換金(解約)時の手数料は、銀行のATMでも休日・祝祭日や、時間外(PM5時以降とか、PM6時以降など)に手数料を取られる時代ですから、まあ、納得はいきますね。
・MRF(証券総合口座用ファンド)の販売単位は、100口(1口1円)となっている。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・1口1円
・MMFなど日々決算型の公社債投資信託は、募集(販売)手数料は、徴収されない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・追加型公社債投資信託は、すべてのファンドについて、キャッシング(即日引出)が、認められている。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・認められていない・・・3つ(MMF・MRF・中期国債ファンド)のみ
・MMF、MRF、中期国債ファンドの募集(申込)単位は、1口(円)以上で、1口(円)単位、とされている。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・中期国債ファンド、MMFともに、信託期間は無期限とされている。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MRFの決算は、日々行われる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MRFの決算は、日々行われるが、その都度、受益者に分配金が支払われる。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・毎月末に再投資される
・MRFの決算は、日々行われるが、分配金は、未払収益分配金として積み立てて、毎月末に自動で再投資される。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MMF、MRFは、毎月決算を行い、分配金は、毎月末に再投資される。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・決算は、毎日
・MRFは、午前中に解約を受付けて、かつ、投資家が当日の支払いを希望した時は、原則として、その日のうちに解約代金が支払われる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MMFは、募集(販売)手数料として、1万口(1口1円)につき、10円の手数料が徴収される。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・MMFは、募集(販売)手数料が徴収されない
・MMFの換金代金の支払い日は、4営業日目となっている。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・翌日。キャッシングで即日受取りも可能。4営業日の受取りとなっているのは、長期公社債投信(追加型)
・長期公社債投信(追加型)の換金代金の支払い方法としてキャッシング制度は、設けられていない。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・長期公社債投信(追加型)は、解約時に1万口(1口1円)につき、100円の手数料が引かれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
※ただし、引き下げられているケースもあります。(ですので実際の試験には出ないかも知れません)
・MMFは、1万口(1口1円)につき、10円の募集(販売)手数料が徴収される。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・手数料は、なし
・MRFの信託期間は、無期限である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MRFの販売単位は、1口1円である。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MRFは、解約時に、1万口(1口1円)について、100円の解約手数料が、控除される。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・手数料は無料(銀行の普通預金のイメージ)
・MRFは、毎日毎日、決算を行い、分配金は毎月末に再投資される。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・MRFは、毎月、決算が行われ、分売金が毎月末に再投資される。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・決算は、毎日
・MRFの換金代金の支払い日は、正午以前の解約申込みは、当日中。正午過ぎての解約申込みは、翌営業日であり、即日受取りのために、キャッシング制度がある。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・金融商品取引業者等は、MMFの換金を行う時に、他のファンドの取得の申込みを勧誘(乗換え勧誘)する場合は、乗換えに関する重要な事項について、顧客に説明しなければならない。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・乗換え勧誘時に、中期国債ファンド・MMF・MRFを換金する場合には、乗換えに関する重要な事項についての説明は不要
最後の、乗り換え勧誘時の説明義務は、実務で大切な話です。
金融商品取引業者が、実績(収益)欲しさに、頻繁にファンドを契約させて、すぐ解約させて、また契約させて、なんてことを繰り返すことを戒めるためのものです。
基本は、金融商品取引業者は、あるファンドの換金を行うのに併せて、他のファンドの取得の申込みを勧誘する場合(乗換え勧誘)、乗換えに関する重要な事項について説明しなければならない、。というものです。ただし、中期国債ファンド・MMF・MRF等は適用除外、です。
ETFについては、7つのポイントを整理しておきます。
1つめは、ETFとは?ということです。
- 1.ETFは、投資効果が日経平均株価や東証株価指数などの株価指数や、商品価格などの指標に連動するように設定され、原則として、取引所に上場されるもの、である。
- 2.ETFは(原則として)上場されているので、ETFの取得・換金は、上場株式と同様の方法で行う。(通常の投資信託とは違う)
- 3.=基準価額に基づく価格での取得・換金ではなく、上場価格で売買される。
- 4.(株式と同じなので)ETFは、指値注文・成行注文が可能。また、信用取引もできる。
- 5.取引単位は、ファンド毎に決められている。(日経平均株価指数連動なら、1口とか10口とか。東証株価指数連動なら、10口とか100口とか)
- 6.税制上は上場株式と一緒。分配金・・・普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の区別は、ない。
- 7.現物拠出型で株価指数に連動するETFの場合、大口投資家は、対象株価指数に連動するように選定された現物株式のポートフォリオをファンドに拠出して、受益権を取得(設定)することができる・・・※
※・・・何のことか分かりますか? 他の6つ(1~6まで)とは目線が違っています。1~6までは、私たちが投資者としてETFを取得(購入)する時の目線(商品の内容を理解する目線を含めて)です。7は、ETFという商品そのものを設定する側の目線です。
たくさん株式を保有している大口投資家は、(対象の株価指数に連動するように選定した)自分の所有する株式の現物のポートフォリオ(組み合わせを一体と見て)を、ファンドに拠出して、その受益権を取得できるように設定できますよ、ということです。
・ETFの収益分配金は、普通分配金と特別分配金に区別される。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・区別がない。区別されない
・投資成果が株価指数や商品指数などの指標に連動するように設定され、取引所に上場される投資信託をMMFという。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・ETF
・投資成果が株価指数や商品指数などの指標に連動するように設定され、取引所に上場される投資信託をETFという。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・ETFの収益分配金には、普通分配金と特別分配金の区別がある。・・・○か×か?・・・×・・・正解
・ETF(上場投資信託)の購入・換金は、一般的な株式投資信託と同様に基準価額に基づく価格で行う。・・・○か×か?・・・×・・・正解・・・上場株式と同じ方法(取引所での売買)
・ETFの売買注文は、指値注文に限られていて、成行注文は認められていない。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・上場株式と同様に指値も成行も可能
・大口投資家は、現物拠出型で株価指数に連動するETFにおいて、対象株価指数に連動するように選定された現物株式のポートフォリオをファンドに拠出して、受益権を取得することができる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・投資家がETFを取得しようとする場合には、金融商品取引所に上場されているため、通常の投資信託とは異なり、上場株式同様の方法で取引が行われる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
次は、外国投資信託についても覚えておきましょう。
・外国投資信託は、海外において、外国の法律に基づいて設定・運用されるものである。・・・○か×か?・・・○
・外国投資信託を日本で発売する時は、金融商品取引法・投信法が適用され、日本で設定された投資信託と同じルールでの販売となる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
換金とキャッシング、クローズド期間という単語を学習しておきます。
基本的には、証券投資信託はオープンエンド型ですから、いつでも自由に解約できます。ただし、約款で「解約請求できない期間」を定めている場合があります。・・・これが、クローズド期間、です。
それと、換金には2つの方法があります。解約と買取りです。受付時限は、午後3時締切です。通常の銀行といっしょですね。
キャッシングは、換金請求日当日の支払いを可能にするものです。1営業日分、貸し付けてもらうことになります。・・・キャッシングが認められているのは、①中期国債ファンド、②MMF、③MRFの3つです。
換金 ⇒ ①解約とは | 直接、投資信託財産を取り崩して換金するもの。 |
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換金 ⇒ ②買取り | 販売会社に買取ってもらって、お金に換える(換金する)もの。 =販売会社への譲渡 |
・証券投資信託は、原則として、信託期間の終了とともに、償還(満期償還)となる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の運用報告書の記載項目に、運用状況の推移は、含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・委託者指図型投資信託の運用報告書の記載項目に、期中の運用の経過は、含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・株式につき、銘柄ごとの前期末・当期末現在の株式数並びに当期末現在の時価総額並びに期中の株式の売買総数及び売買総額は、委託者指図型投資信託の運用報告書の記載項目に含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・正解
・受託者及び委託者の受け取る信託報酬その他の手数料の計算方法並びに支払いの方法及び時期は、委託者指図型投資信託の運用報告書の記載項目に、運用状況の推移は、含まれる。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・含まれない
・委託者非指図型投資信託では、投資信託約款により、あらかじめ解約請求することができない期間を定める場合があるが、この期間を無分配期間という。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!・・・クローズド期間
・委託者非指図型投資信託では、投資信託約款により、あらかじめ解約請求することができない期間を定める場合があり、この期間をクローズド期間という。・・・○か×か?・・・○・・・正解
スキマ時間に練習問題にチャレンジしながら学習できる、○×クイズ形式のスタイルも用意しました。
10問単位です。自分なりに合格点をとれた、と自覚できたら次の10問に進んでください。
ぜひ、無声音で(頭の中だけで声を出して・しかも早口で)読んでみてください。スマホなどのボイスメモやICレコーダーなどに録音して聞き流すことで記憶に定着させる、ということもできます。どうぞ工夫してみられることをお薦めいたします。
録音する場合には
・早口で録音すると聴き返す時の集中力がアップします。
・「○○~とされている。○(マル)とか×(バツ)」という具合に解答まで録音する。
・また、×(バツ)の時は、間違った点や正解まで録音しておくとベターです。
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