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いよいよ外務員試験合格を目指す試験科目の1つ、金融商品取引法についての最後です。コマ切れ的な範囲になりますが、外務員試験に出題される可能性のありそうなところをいくつか取り上げてみました。

投資運用業

投資信託委託会社という概念を頭に入れておいてください。委託されている・・・何を・・・資金の運用を、です。
(国内大手として、野村アセットマネジメントなどがあります)

委託ときたら・・・受託、です。委託会社が運用を指図⇒受託会社(指図を受けて運用、また株式などの管理もしている)。ピンときますか?(詳しくは別の試験科目でも勉強しますけど)

もう一つ例をあげると、三菱UFJ国際投信という会社が委託会社(お客さまからの運用を任されている会社)、そこからの指図を受けて実際に運用・管理しているのが三菱UFJ信託銀行。この三菱UFJ信託銀行は、当然市場との売買もしています。

で、私たちが投資信託などの金融商品を買えるのが、この三菱UFJ信託銀行や東京三菱UFJ銀行、ということになります。
(もちろん他の金融機関でも購入できます。そこはお間違いなく)

投資信託委託会社も、金融商品取引業者の1つということになります。金融商品取引法の規制を受けます。

また、自己取引と運用財産間取引について禁止行為があります。(ただし、例外規定があります。内閣府で定めるものは除外されます)
運用報告書の交付義務もあります。(これも例外規定があります)

ここで練習問題をして頭に入れておきましょう。

⇒ 練習問題

金融機関の登録金融機関業務

普通の銀行など(銀行、協同組織金融機関=信用金庫・信用協同組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合など)は、原則として有価証券関連事業又は(上で説明した)投資運用業を営むことはできません。

普通の銀行などで金融商品を購入できますが、他のところで商品化したものを販売代行という感じで販売している・取り扱っている、といえるかと思います。

それが、銀行などでも、内閣総理大臣の登録を受けることにより登録金融機関業務を行うことができるようになる、ということです。
(登録を受けた金融機関を登録金融機関という)

たとえば、

  • 国債、地方債、特定社債券、CP・・・などの売買、市場デリバティブ取引、売買等の媒介・取次ぎ・・・
  • 投資信託・・・などの売買、市場デリバティブ取引、売買等の媒介・取次ぎ・・・
  • ・・・・・
  • 有価証券の売買等の有価証券等清算取次ぎ

⇒ 練習問題

金融商品仲介業務、金融商品仲介業の制度

上で、登録することで登録金融機関業務を行うことができるようになる、ということを学習しましたが、さらに(法律の改正で)、株券や社債券といった有価証券を含めたすべての有価証券の取扱いができるようになりました。(ただし、売買の媒介、募集等の取扱いの範囲内です)

それが、金融商品仲介業務です。
ポイントは、内閣総理大臣の登録ですが、法人・個人を問わず登録可能です。

※また、自らお客さまの口座を開設したり、契約の当事者となることはできません。・・・顧客の金銭・有価証券の預託を受けることはできません。

金融商品仲介業のイメージ図

⇒ 練習問題

信用格付業者

金融商品や法人などに対して、信用状態に関する評価をつけるのが信用格付けであり、それを行う会社が信用格付業者となります。
経済ニュースなどで、「トリプルA」とか「シングルAプラス」といった言葉を聞いたことはありませんか。

格付業者というよりは格付機関といった方が馴染があるかも知れません。有名どころでは、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ、日本格付研究所、格付投資情報センターなどがあります。(この有名どころは覚えなくても構いません)

それと、信用格付業を行う法人は、内閣総理大臣の登録を受けることができます。・・・受けることができる、ということで、「受けなければならない」というものではありません。

(内閣総理大臣の登録を受けた者・・・「信用格付業者」)

⇒ 練習問題

投資者保護基金

投資者保護のため、金融商品取引業者に破綻などの万が一が起こった時に、1,000万円まで補償してくれるものです。

逆に、金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者)は、必ず、基金に加入する必要があります。

対象となる債権は

  • 先物取引の証拠金、信用取引の保証金として金融商品取引業者が預託を受けた金銭及び有価証券
  • 一般顧客の計算に属する金銭又は有価証券、一般顧客から預託を受けた金銭又は有価証券
  • 保護預かりの対象となる金銭又は有価証券(一部例外あり)

です。

補償対象者はあくまでも、一般顧客です。
適格機関投資家や、国・地方公共団体等、日本銀行、投資者保護基金、破綻した金融商品取引業者の役員・・・などは対象となりません。

※もう1つポイントがあります。請求者(補償してくれ、と実際に請求する人)は、一般顧客です。顧客と取引している金融商品取引業者ではありません。一般顧客の請求に基づいて支払われるものです。

※破綻した金融商品取引業者が、基金に申請して、このお客さまに補償をお願いします、というのではありません。

⇒ 練習問題

証券金融会社

一般の銀行が、お金を預けたり、借りたりするのが、日本銀行です。それとは、ちょっとイメージが違いますが・・・

証券金融会社というのは、金融商品取引所の会員に対して、信用取引の決済に必要な金銭又は有価証券を、貸し付ける業務を営む会社です。
これは、内閣総理大臣免許が必要になります。

合言葉は、賞金は内面=償金は内免 ・・・融会社は閣総理大臣の許を受ける

証券金融会社は、日本に2つあります。日本証券金融株式会社、中部証券金融株式会社。覚えなくてもいいです。こっちを覚えてください。
証券金融会社の資本金が一定以上(最低資本金額1億円)の株式会社でなければなりません。

また、主な業務として・・・
金融商品取引業者又はその顧客に対して、有価証券又は金銭を担保として金銭又は有価証券を貸し付けることがあります。

ガイド案内

この順番に注意してくださいね。

有価証券、又は、②金銭を担保にして・・・②金銭、又は、①有価証券を貸し付ける。

⇒ 練習問題

公開買付制度

時々ニュース等で耳にする言葉です。一般に、企業買収の1つの方法として利用されています。

ガイド案内

公開買付け・・・TOB(Take Over Bid)

公開買付け(TOB)とは、不特定かつ多数の者に対して、公告(広告ではありません)により、株券等の買付け等の申込み又は売付け当の申込みの勧誘を行い、取引所金融商品市場外で株券等の買付け等を行うことです。

市場外で60日間に11名以上の者から株券等を買付け
その買付け後の株券等所有割合が5%を超える場合
・・・公開買付けによらなければならない
5%ルールの数値と一緒ですね。
市場外で60日間に10名以内の者から株券等を買付け
その買付け後の株券等所有割合が3分の1を超える場合
・・・公開買付けによらなければならない
(3分の1ルール)

※もう1つポイントが・・・途中で買付価格を引き上げることは可能ですが、逆に、引き下げることは原則ダメ!です。

⇒ 練習問題

まとめ

ここまでお疲れさまでした。外務員試験勉強のスタートとして重要な金融商品取引法について学習してきました。
1週間で到達できましたか?

外務員試験を受ける時の勉強において、この金融商品取引法を1週間でクリア(一通りの学習が)できれば、二種試験合格レベルまで約1.5ヶ月~2ヶ月くらいで到達できるかと思います。

ガイド案内

繰り返しますが・・・
テキストやサブノートを読んだら、あとは、ひたすら・繰り返し×繰り返し・反復×反復で、練習問題を目から、耳からインプットしてください。

とりわけ、スキマ時間を活用してのインプットは効果大です。練習問題を、特に間違いやすい練習問題を、ICレコーダーやスマホに録音して耳からインプットされることをお薦めいたします。

私は、二種も一種も同じインプットのやり方で(どちらも)約1.5ヶ月くらいで合格できました。

どうぞ頑張ってください。合格と合格後の素晴らしい人生を心よりお祈り申し上げます。



最後におまけの問題を1つ、2つ。

・金融商品取引業者は、本店その他の営業所又は事務所を、金融機関の本店その他の営業所、事務所、代理店と同一の建物に設置して、その業務を行うことは禁止されている。・・・○か×か?・・・○・・・間違い!

※同じ建物の1Fと2Fに銀行、4Fに関連の信託会社、なんて光景を目にしたことはありませんか?

同一の建物に設置することは可能です。禁止されているわけではありません。ただ・・・
顧客が金融商品取引業者と金融機関を誤認しないようにするための適切な措置を講じなければならない、とされているものです。
通常は、目立つ看板でキッチリと区別されていますし、入口も別々になっているのが一般的だと思います。それで、OKですよ、ということですね。

次は一種試験の範囲です。

・デリバティブ取引のうち、金融商品市場において、金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従って行われる取引を市場デリバティブ取引といい、市場デリバティブと同様の取引を金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行われる取引を店頭デリバティブ取引という。・・・○か×か?・・・○・・・正解

本当にお疲れさまでした。