(原則的には)上場株式等の譲渡所得課税は・・・申告分離課税です。つまり、確定申告が必要なのです。
それが、(特例によって)特定口座を設定すると、(選択によって、選択しないとダメです)源泉徴収が適用されます。・・・確定申告、不要となります。
特定口座と一般口座
同じA社の株式でも、特定口座に保管をお願いしている場合(たとえばA株式を1,000株は特定口座)と、そうでない口座(一般口座)に保管をお願いしている場合(同じA株式を2,000株は一般口座)とでは、譲渡による所得についての扱いが違ってきます。
特定口座(源泉徴収あり)・・選択で決める | ①特定口座源泉徴収選択届出書を提出 | ①・・・確定申告不要(金融商品取引業者が源泉徴収) |
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特定口座(源泉徴収なし)・・選択で決める | ②(届出書を)提出しないケース | ②・・・必要に応じて確定申告 (たとえば複数の金融商品取引業者に特定口座を持っている場合や、一般口座との損益通算のケース) 確定申告は特定口座年間取引報告書で簡単な申告・・・※2段階↓(下参照) |
一般口座 | 確定申告 |
ポイントは2段階です。※2段階↑(表の※)
まず、特定口座を選択すると
1.特定口座年間取引報告書、というものが交付されます。・・・金融商品取引業者は、この特定口座年間取引報告書を、①お客さま(本人)と、②税務署に交付します。
お客さま(本人)は、この報告書に記載された収入金額、取得費及び経費に基づいて所得金額を計算することができます。
ですから、この特定口座年間取引報告書に計算された金額で、申告をすることができるわけです。(簡単に、申告できるということです)
2.さらに、特定口座源泉徴収選択届出書という書類を提出すれば、その特定口座に保管されている上場株式等の譲渡益について、源泉徴収の適用を受けることができる、ということです。この2段階の届出をきっちりと理解してください。
あと覚えておいていただきたいのが・・・
- 個人だけです。法人はダメです。
- 1人につき1口座、金融商品取引業者が違えば、別にまた1口座、設定することができます。(1業者1口座)
- 源泉徴収ありの口座を選択すれば、(なし、の口座はダメですけど)確定申告不要、源泉徴収の適用となります。
- もし、(特定口座を持つと)源泉徴収なし、でも(なし、の選択でも)、申告が簡単にできます。(特定口座年間取引報告書が交付されるから)
- 特定口座を通じて行う信用取引又は発行日決済取引に係る差金についても適用されます。
- 源泉徴収の税率は、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
- 特定口座に入れることができる上場株式等は、次のようなものです。
- ・国内上場株式(単元未満株を含む)、・上場新株予約権
- ・上場不動産投資法人の投資口(J-REIT)
- ・上場株式投資信託の受益権(ETF)等
- ・公募株式等証券投資信託の受益権
- ・特定投資法人の投資口
- 特定口座源泉徴収選択届出書は、年ごとにその年の最初に譲渡するまでに提出する必要あり。一度選択した特定口座については、年の途中で変更することは不可。
- 【配当金について】上場株式等の配当金も、特定口座に入れることができるかどうか? OKです。
- 【利子について】特定公社債の利子、一定の公募公社債投資信託の収益の分配もOKです。
- ・国内上場株式等の配当金
- ・国内上場ETF、J-REITの分配金
- ・公募株式投資信託の分配金
- ・外国株式の配当金、・株式ミニ投資の分配金、・株式累積投資の分配金
- ・外国金融商品市場において売買されている株式等
特定口座を開設しても、開設だけでは源泉徴収には、なりません。特定口座源泉徴収選択届出書を提出して、源泉徴収の適用を受けることができる、というものです。
それと、特定口座年間取引報告書で=それに記載された収入金額、取得費、経費から所得額を計算できますよ、ということは理解しておいてください。
(特定口座年間取引報告書が、2通作成されて1通が税務署へ、1通が本人へという点も)
特定口座内で管理すれば
・上場株式等の譲渡所得等の金額や損失の金額が、確定申告不要の対象となりますよ、また
・配当等も確定申告不要の対象となります=特例を受けられますよ、ということです。
もちろん、現実的には、その権利があるけど、確定申告しますよ、でも構いません。
NISAについて
正式名称は覚えなくてもいいですが、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置、というものです。
この非課税口座を開設すると・・・毎年、120万円まで上場株式等を受け入れることができて、それが最高5年間、(最大)計600万円まで、配当所得や譲渡所得が非課税になります、というものです。
※未使用枠を翌年以降に繰り越す、なんてことはできません。
20歳上の居住者で、平成26年1月1日(2014年)~平成35年12月31日(2023年)までの10年間において、です。
東京オリンピックの6年前から、3年後までの10年間です。
ジュニアNISA
2年遅れで、未成年者にも適用されることになりました。(内容は覚えなくても・・・頭の片隅で結構です)
毎年、80万円の5年間(最大400万円)、平成28年1月1日(2016年・リオのオリンピック)~平成35年12月31日(2023年)
※エンド(終わり)は、NISAと一緒です。
まとめ
⇒ 練習問題